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2008年6月6日金曜日

少年

夢の続き抜け出して
最後に一つだけ残ったライターと
しわくちゃの一万円札握り締めた夜 

宙に燃えて行く札を
感情すら失った顔でただ見つめる
危うき影を引きずりながら今此処で

歩き出せる
一歩踏み出したその手の中に
今でも掴んでいた優しい春の風

やがては消える
風の所在を何時までも想うよ 

誰かの渡した愛情とも言えない宝
手につまんでいた道
赤みを帯びた目 少しずつ元に戻ってく 

歩き出せる
後ろの闇を引きずったままで
遥か遠くに見える根拠の無い未来
 
やがては歩む
帰ろうまたあのボロ家に 夢を見付けて 

うつらうつら雨の日の公園の子猫
近づく赤い傘にただ怯えてる
外はいつでも幸せの世界 消えた一つの感情 

歩き出せる
一歩踏み出したその手の中に
今でも掴んでいた優しい春の風
 
やがては歩む
帰ろうまたあの日のように 夢思い出して

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