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2007年12月8日土曜日

裕子

何度となく 囁きかけてみる
聴こえているかい? 君を呼ぶ声

何とはなしに 肩を抱いてみる
感じられるかい? この手の温もり

途方もなく 絵を見せてみる
色が分かるかい? 君の髪色

沈黙のまま 河原に腰掛ける
花の匂いが嫌いなのかい? 返り咲き

まだ幼い君の瞳は輝いていた
人形を見せられた時に
触れようと 手を伸ばす
震える指先の悲しい裏切り

何となく 振り返ってみる
夕陽が背中に消えた 虚ろな夢

沈黙のまま 河原に腰掛ける
秋桜ももう終わりだね

君は自分が大人になったと気付く時
その無力さに泣いた
心の傷 埋めながら
いつでも黙って何処かを見ている

何度となく 囁きかけてみる
聴こえているかい? 君を呼ぶ声

五感を失った君の眼が瞬きを繰り返す
何度も呼んでみる
強く君は 生きている
確かに生きている 涙が頬を伝う

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